データセンター
ふっ素ガスが可能にするデジタルトランスフォーメーション
ふっ素ガス(F-ガス)には、大規模な温度制御を行うという重要な用途があります。とりわけ、データセンターを冷却し、火災の危険から守ることによって、進行中のデジタルトランスフォーメーションに貢献しています。
大規模なデータセンターでは、データの処理と保管のために大量のエネルギーと水を使用しています。モノのインターネット(IoT)のクラウドコンピューティングやスマートテクノロジーでデータセンターの設備が拡大し、それに伴いデータセンター冷却の需要も高まっています。F-ガスは、サーバー用途の空冷で重要な役割を果たしています。
F-ガスはデジタルトランスフォーメーションの持続可能性を確保するために欠かせません。
ふっ素ガスは次世代のテクノロジーを促進するために不可欠であり、欧州連合(EU)のデジタルトランスフォーメーションの推進力です。さらなるデジタル時代を迎えているEUでは、データの処理や保管に大量のエネルギーと水を使用する次世代データセンターを運営するためのエネルギー効率の向上や低水量での冷却技術が必要になります。地球温暖化係数(GWP)の低いF-ガスは、二相浸漬冷却(2-PIC)などの新しい技術を可能にします。2-PICは、データセンターの冷却エネルギー使用量、二酸化炭素排出量、水の消費量を90%超削減することができ、従来の空冷技術と比較して必要設置面積を60%削減します。また、F-ガスによる浸漬冷却は、廃熱を回収して近隣の住宅、オフィス、工業施設に利用できるというユニークな状況を作り出しています。
F-ガスとは
F-ガスは、低GWP・超低GWPのハイドロフルオロオレフィン(HFO)と混合物からなる革新的な特殊化学品で、環境特性が向上しており、従来の製品と比べてGWPを大幅に低減できます。気候変動の脅威が高まる中で、GWPが比較的高い従来のHFCやハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の代替品として、革新的なハイドロフルオロカーボン(HFC)やHFOが開発されています。F-ガスはデータ集約型の厳しいグローバル規制承認プロセス(米国やEUなど)を経ており、ライフサイクル全体を通じて、意図した用途で安全に使用できると判断されています。

データセンター産業におけるFガスの重要な用途は次のとおり。
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大規模な温度管理:
Fガスは、特にデータセンターを冷却すること、火災の危険から守ることによって、デジタルトランスフォーメーションの進展に寄与しています。
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廃熱回収:
2PIC技術は、地域の暖房施設に送ることができる廃熱回収も可能にします。
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火災リスクの低減:
また、2PICに使用されるFガスは不燃性であるため、可燃性のオイルを使う空冷や単相浸漬冷却に比べて、火災リスクを低減できます。
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耐用期間の長期化および性能向上:
Fガスを使用した2PICは、チップをより低温にできるため、チップの寿命を延ばすだけでなく、オーバークロックも可能にします。