Chemours（ケマーズ）の6,600人の従業員は、欧州連合（EU）で働く950人を含め、毎日ただ一つの目的のために働いています。その目的とは、私たちの化学の力でよりよい世界の創造に貢献することです。私たちは、世界で最も差し迫った問題の解決に欠かせない持続可能な製品のポートフォリオを生み出しています。そのような製品の中には、エネルギー消費が少なく地球温暖化係数の低い先進的なサーマルソリューションにより温暖化の防止に貢献するものもあります。また、再生可能でクリーンな水素燃料の製造を可能にすることにより、ゼロエミッションの未来に拍車をかけるChemours（ケマーズ）製品もあります。
欧州のエネルギー産業は、欧州連合（EU）において温室効果ガス排出量の上位5位を占める産業の一つです。マッキンゼーによると、全排出量の23%が発電によるものであり、発電は運輸（28%）、製造業（26%）に次ぐ排出量第3位のセクターです。
欧州の電力産業は、排出量上位5位を占める他の産業と比較すると、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー発電技術が大規模に利用できるため、2050年までに脱炭素化を達成することが有望視されています。
グリーン水素の導入により、欧州のエネルギー産業は化石燃料からさらに離れることになります。欧州委員会は、グリーンディール産業計画の一環として欧州水素銀行の設立計画を発表しました。これは2030年までに国内生産を1,000万トンに加速することを目的としたものです。
Chemours（ケマーズ）のNafion™（ナフィオン™）テクノロジーは、グリーン水素エネルギーの生産、フロー電池でのエネルギー貯蔵、および水の電気分解により燃料電池車に動力を供給する水素変換を実現する革新的な膜素材です。
再生可能エネルギーは継続性に欠けますが、風力や太陽光で発電したエネルギーを水素に変換すれば、貯蔵や移送がより容易になります。Chemours（ケマーズ）の化学により、再生可能なエネルギー源から発生した電力を水に応用し、水を水素と酸素に電気分解することで、そうしたエネルギー変換が実現できます。
また、EUは、現存建築物の改修を加速することによりエネルギー利用を効率化しようとしています。この新しい法案は、最もパフォーマンスの低い15%の建物を2030年までに改修することを義務付けるものです。また、同法案では、2030年以降に新しい建物を「ゼロエネルギー」にすることを求める予定です。
ヒートポンプは建物のエネルギー効率を高めるために欠かせない要素です。ヒートポンプは、冷却サイクルを利用することにより、熱を変換して温度を上下させ、有用性を高めることができます。ヒートポンプが消費する1KWの電力で、4KWの熱エネルギーを発生することができます。Chemours（ケマーズ）のOpteon™（オプテオン™）冷媒は新世代の低地球温暖化係数冷媒です。性能、環境持続性能、安全性、コスト面で最適なバランスをあらゆる用途で提供します。
私たちは、ネットゼロの未来に向けた欧州のビジョンを共有しています。ヨーロッパの次章はカーボンニュートラルでなければなりません。それにはカーボンニュートラルなテクノロジーを持つ強力な域内産業が必要です。そのため、私たちはフランスのヴィレ・サン・ポール工場への大規模な投資を2023年に実行し、水素エネルギーを実現するNafion™（ナフィオン™）テクノロジーの生産能力を増強しました。私たちは、ヨーロッパが水素の域内生産目標を達成し、さらにそれを上回ることを支援する意志と技術を持っています。
また、私たちの冷媒化学は、建物の冷暖房に必要なエネルギーの大幅な削減に貢献できるヒートポンプなど、欧州連合のエネルギー転換の重要な構成要素に不可欠なものです。
Valentina Mauri
EU政務担当ディレクター
Chemours（ケマーズ）は、水素から電気への変換や電気自動車用バッテリーの製造に必要な化学を提供することにより、ネットゼロの達成に貢献しています。現在、EUにおける私たちの製造拠点では、生産能力の増強とクリーンエネルギー技術の高度化を進めています。
半導体などの先端技術は、スマートフォン、コンピューター、電気自動車など現代の電子機器の製造に欠かせない構成要素となっています。2020年には全世界で1兆個の半導体が製造されました。2030年にはこの生産量が倍増すると予想されています。半導体の需要が拡大し続ける中で、欧州連合（EU）は、域内生産能力の増強、輸入依存度の引き下げ、およびグローバル市場での競争力維持を優先課題に定めています。その結果、EUは、半導体産業への投資と振興策により、EUの技術的な自律性とリーダーシップの強化を図る野心的な計画を発表しました。
一方、EUのデジタル化経済ではデータセンターが今後重要なインフラになると予想されますが、ネットゼロを目指すEUは、データセンターの運営に関わるエネルギー強度のレベルに対応していく必要に迫られています。
ふっ素樹脂は、その独特の特性により半導体産業に欠かせない存在であり、高性能で信頼性の高い電子機器の生産に貢献しています。ふっ素樹脂は、ウェハー処理、エッチング、パッケージングなど半導体製造のさまざまな工程で利用されています。不純物や特定の元素がわずかでも混入すると機器の歩留まりに大きな影響を与えるため、Chemours（ケマーズ）は最高レベルの純度を維持する形で樹脂を製造しています。
Chemours（ケマーズ）の化学は、機器メーカーがチップの歩留まりと設計の自由度を最大化しながらダウンタイムや処理のばらつきを最小限に抑えることを可能にしています。
データセンターでは、サーバーその他のハードウェアへの電力供給や冷却に膨大なエネルギーを使用しており、それにより大量の熱が発生します。この熱が除去されなければ機器の故障の原因となり、データの消失やダウンタイムにつながります。
ふっ素化ガス（Fガス）冷媒は、データセンターの冷却システムにおいて、機器の熱を取り除いて環境中に放出するために使用されています。Fガス冷媒は、冷却システム内を循環して、機器が発生する暖気から熱を吸収し、データセンター外部に放出します。
Chemours（ケマーズ）の低地球温暖化係数ソリューションは、脱炭素経済に向かうヨーロッパにおいて、クラウドコンピューティングの冷却を担っています。
