エレクトロニクスにおけるグリコール酸

グリコール酸:効果的な洗浄・錯化剤

電子機器の製造には、超高純度の材料が必要です。ほんのわずかな金属不純物であっても、精密部品に重大なダメージを与える可能性があります。こうした要求の厳しい重要な用途では、適切な洗浄・錯化剤を選択することが不可欠です。

グリコール酸は、金属不純物の濃度を低く抑える必要がある用途に価値があります。電子機器の銅基板を洗浄することを想定して設計されたグリコール酸は、水酸基やカルボン酸基を利用して、多価金属と5員環の錯体(キレート)を生成します。この錯化性能により、銅基板の洗浄が容易になり、その次の処理に適した表面が得られます。

グリコール酸には以下のような特性があります。

  • 金属イオンの良好な錯化
  • 低い腐食率
  • 効率的なpH調整プロファイル
  • 良好な環境・安全・取り扱い特性

標準テクニカルグレード

汎用性の高いグリコール酸テクニカルグレード70%は、塩化物を含んでおらず、基本的な電子機器洗浄や銅基板前処理に用いられます。酸とアルコールの官能基を持ち、毒性や腐食性が低いこと、汚れ除去性能に優れていることなどがその特徴です。

Glyclean™エレクトロニクス

このエレクトロニクスグレードのグリコール酸は、エレクトロニクス用途において、銅の表面や基板に対する良好なキレート特性を有します。フラットパネルテレビの製造に使用される、金属不純物をppmレベルにする必要がある薄膜トランジスタ(thin-film transistor:TFT)加工などの用途にも使用されています。

Glyclean™ eGA

Glyclean™ eGAは、半導体製造に用いられる多くの配合を可能にし、改良することができます。グリコール酸を使用して、半導体ウエハー基板のエッチング残渣(ポリマーなどの粒子)を除去します。基板は、フォトレジスト残渣その他の汚れなどによる粒子を除去するグリコール酸を含む溶液で洗浄されます。