私たちは環境スチュワードシップにおいて指導的役割を果たすことに力を入れています。

C3ダイマー酸とPFAS

C3ダイマー酸は、Chemours(ケマーズ)の多くの製品の製造に使用されています。ファイエットビルの製造施設周辺環境では、ヘキサフルオロプロピレンオキシドダイマー酸(Hexafluoropropylene Oxide Dimer Acid:HFPO-DA)、Gen-Xとも呼ばれるこの物質が低濃度で検出されています。

ノースカロライナ州立大学の環境化学・毒性学の教授であるDamian Shea博士は、C3ダイマー酸に関して現在入手できるデータの詳細な毒物学的分析を先日、完了しました。Shea博士はこう述べています。「C3ダイマー酸の安全性プロファイルについては、10年以上にわたる科学的データが収集されています。数多くの毒性研究を含むこれらのデータは、その環境で検出された低濃度のC3ダイマー酸が人の健康に危険を及ぼさないことを示す説得力のある科学的証拠を示しています。」

Chemours(ケマーズ)は、C3ダイマー酸とその他のパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)に関する取り組みの一環として、個々のPFAS廃棄物化合物を検出および定量化するためのより精密な分析方法の開発に取り組んできました。これらの廃棄物は非常に低い濃度で存在しており、ごく最近まで、これらの化合物の多くについて詳細な評価を行うための方法が存在していませんでした。Chemours(ケマーズ)は現在、外部の研究機関と協力して、これらの化合物の毒性試験を行っています。

また、私たちはファイエットビルが米国水質浄化法の認可を受けるにあたって、排水に有害化合物が含まれていないかどうかを定期的に検査する取り組みを行っています。「バイオアッセイ」と呼ばれるこの検査では、化学物質に対して極めて感受性が高い生物(ミジンコ)を、PFAS廃棄物を含む工場排水にばく露します。私たちは22年以上にわたって、このバイオアッセイを四半期ごとに実施しています。2012年に1つのサンプルが要再検査となり、毒性や有害な影響はないという結果になったことがありましたが、それ以外で毒性や有害な影響があると判定されたことはありません。

また、通常の検査プログラムに加えて、2017年10月には別の調査、米国環境保護庁(EPA)試験法1001.0のファットヘッドミノー(北米産の魚)慢性毒性試験を実施しました。この調査は、PFAS廃棄物を含む当社の排水がこの感受性の高い生物に与える生理的、生化学的影響と、発達初期段階(卵)に与える影響を評価するために行われました。この研究では、毒性や有害な影響は見られませんでした。

いずれにせよ、私たちはファイエットビル近隣住民の方々の懸念を真摯に受け止め、州および連邦政府の規制当局と緊密に協力しながら、迅速に行動して地域社会の懸念に対応してきました。

2017年夏以降、Chemours(ケマーズ)はファイエットビル工場からの排水や排気に含まれるC3ダイマー酸などのPFAS化合物を大幅に削減するため、数々の対策を講じてきました。また、地下水の問題に対処するため、包括的な修復計画を策定して実施しています。Chemours(ケマーズ)は、ノースカロライナ州環境品質局(North Carolina Department of Environmental Quality:NCDEQ)およびCape Fear River Watchと、2019年2月25日にブレイデン郡の上級裁判所で承認された同意命令について合意しました。私たちはNCDEQの監督のもと、包括的な同意命令に基づき、現在および将来の業務が確実に人と環境を保護できるよう、幅広く実質的に意味のある措置をとっています。すでに大きな進歩を遂げており、Chemours(ケマーズ)は環境保護に関して業界をリードする方法で排出量に対処しています。こうした措置については、当社の同意命令遵守報告書に記録されています。

長期的なソリューションへの投資

Chemours(ケマーズ)は高度な技能を有する科学者、エンジニア、その他の専門家の知識を活用して、専門的で長期的な最先端の排出抑制ソリューションを設計しました。Chemours(ケマーズ)が実践しているソリューションは、地域社会の期待に長期的に応えることを目的としています。私たちは、C3ダイマー酸をはじめとするPFAS化合物の排出量を、同意命令の要件に従って99%削減することを約束し、この約束を達成するために現在、1億米ドル以上の投資を行っています。

大気への排出抑制

NCDEQおよびCape Fear River Watchとの協議のもと、Chemours(ケマーズ)は大気への排出に対処するために以下の措置をとっています。

  1. C3ダイマー酸その他のPFAS排出をさらに捕捉するために、3台の炭素吸着式大気排出抑制システムと2次スクラバーを導入しました。これらのシステムにより、2019年のC3ダイマー酸の大気排出量は施設全体で2017年比92%削減となる見込みです。
  2. 特別に注文し制作した最先端のサーマルオキシダイザーなど、カスタム設計による排出抑制設備の設置に取り組み、2019年末までにC3ダイマー酸をはじめとするPFAS化合物の施設全体の大気排出量を99%削減します。

水の管理

オンサイトの廃水

2017年6月、Chemours(ケマーズ)はC3ダイマー酸を含む廃水の排出を自主的に制限し、わずか2か月で99.9%の回収を達成しました。Chemours(ケマーズ)は2017年11月までに、事業の工程で発生する廃水(非接触型冷却水を除く)のケープフィア川への排出を完全になくしました。

ケープフィア川の水のサンプリング

Chemours(ケマーズ)は定期的に、ケープフィア川のさまざまな場所で水のサンプリングを行っています。以下の情報は、河川水サンプリングプログラムの最終データです。

ケープフィア川の「マイル0」から「マイル132」地点までの水のサンプリング結果(2018年9月に報告完了)

サイト外の井戸のサンプリングと飲料水

Chemours(ケマーズ)は大規模なサンプリングプログラムを通じて、サイト外の住宅用井戸への影響を迅速に判定しました。具体的には、2017年9月以降、以下のような措置をとっています。

1. 同意命令の要件に基づくサンプリングの範囲を拡大して半径約8 kmの範囲で継続的な井戸サンプリングプログラムを実施し、これまでに約1,000軒の住宅についてサンプリングしました。

住宅の所有者および居住者には、井戸のサンプリングプログラムについての説明、井戸のサンプリング許可のお願い、サンプリングチームとの時間調整方法を記載した書簡がChemours(ケマーズ)から送付されます。

同意命令の要件に基づき、所有する井戸のC3ダイマー酸や特定のPFAS化合物の濃度が10 pptを超えた住民には、ボトル入り飲料水を無料で提供しています。対象となる住民には、ボトル入り飲料水の受け取り方法を説明した書簡と共にボトル入り飲料水の初回配達が行われます。

2. NCDEQからの要請に応じて、粒状活性炭(Granular Activated Carbon:GAC)に関する6つのパイロットスタディを完了しました。

*ロケーション48は居住者の要望によりサンプリングプログラムから除外されました。表示される結果は、2018年4月12日~2018年10月25日のものです。

**2019年1月29日のサンプリングでは、ロケーション71の居住者が立ち入りを許可できませんでした。

3. GACと逆浸透(RO)ユニットを同意命令の対象となるすべての住宅に、その所有者の費用負担なしで設置・維持することを申し出ました。

HFPO-C3ダイマー酸(GenX)が140 ppt以上検出された住宅用飲料水井戸は、粒状活性炭(GAC)による家全体のろ過システムの対象となります。また、システムが設置され、GenXを効果的に除去できるようになるまで、各家庭にはボトル入り飲料水が配送されます。家全体のGACを希望しない場合は、逆浸透(RO)システムをキッチンや浴室のシンクに設置することを住宅所有者が選択することもできます。

住宅用飲料水井戸で、(1)検出されたPFAS化合物が1種類でも10 pptを超える場合、または(2)検出されたPFAS総量が70 ppt以上の場合は、シンク下の逆浸透(RO)ろ過システムを最大3台まで設置できます。また、システムが設置され、PFASを効果的に除去できるようになるまで、各家庭にはボトル入り飲料水が配送されます。こうした低濃度のPFASによる健康への悪影響が明らかになったことはありませんが、Chemours(ケマーズ)は、極めて低濃度であれ、飲料水にPFASが含まれる住民をさらに保護するために、このプログラムに同意しました。

GACまたはROのいずれかについて対象となる住民には、説明を記載した書簡をボトル入り飲料水の初回配達時に直接お渡しするか、郵送でお送りします。

井戸の検査、粒状活性炭システム、逆浸透システム、またはボトル入り飲料水の宅配などについては、910-678-1101までお問い合わせください。月曜~金曜の間、24~48時間以内に、担当者が折り返しご連絡します。

住民の方は、健康に関する質問をノースカロライナ州保健福祉局公衆衛生課(919)-707-5900にお問い合わせいただくこともできます。

4つの郡エリアにおける井戸のサンプリングに関するよくあるご質問は、こちらをクリックしてください。

追加情報

私たちは新製品を登録するために世界の規制当局に提供した広範なデータやその際の議論に加えて、数多くの世界的な科学会議で定期的に研究結果を発表し、それを査読付き科学文献に掲載してきました。そうした出版物では、学術研究者との共同研究を発表することもよくあります。

  • Gannon他、2016年。Absorption, distribution, metabolism and excretion of 2,3,3,3-tetrafluoro-2-(heptafluoropropoxy) proprionic acid, ammonium salt, in rat, mouse, and cynomolgus monkey(2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオン酸、アンモニウム塩のラット、マウスおよびカニクイザルにおける吸収、分布、代謝および排泄) Toxicology 340:1~9。
    http://dx.doi.org/10.1016/j.tox.2015.12.006
  • Hoke他、2016年 Aquatic hazard, bioaccumulation and screening risk assessment for ammonium 2,3,3,3-tetrafluoro-2-(heptafluoropropoxy)-propanoate(アンモニウム=2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロパノアートの水生ハザード、生物蓄積、スクリーニングリスクアセスメント) Chemosphere 149:336~342
    http://dx.doi.org/10.1016/j.chemosphere.2016.01.009
  • Buck、2015年 Toxicology Data for Alternative “Short-Chain” Fluorinated Substances in J.C. DeWitt (ed.), Toxicological Effects of Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl Substances, Molecular and Integrative Toxicology, Chapter 17, pp 451-477(J.C. DeWitt編『Molecular and Integrative Toxicology』パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質の毒性影響、第17章451~477ページに掲載されている代替「短鎖」ふっ素化合物の毒性データ)
    http://www.springer.com/us/book/9783319155173
  • Caverly Rae他、2015年 Evaluation of chronic toxicity and carcinogenicity of ammonium 2,3,3,3-tetrafluoro-2-(heptafluoropropoxy)-propanoate in Sprague-Dawley rats(Sprague-Dawleyラットにおけるアンモニウム=2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロパノアートの慢性毒性および発癌性の評価) Toxicology Reports 2:939~949
    http://dx.doi.org/10.1016/j.toxrep.2015.06.001

標準分析プロトコル

Chemours(ケマーズ)はテーブル3+化合物としてリストアップされている化合物を分析する方法を開発しました。Chemours(ケマーズ)はまた、テーブル3+化合物の真正標準物質を合成し、それをNCDEQ、EPA、学術研究者に提供して、メソッド開発に役立ててもらっています。

Chemours(ケマーズ)は水に含まれるPFASの分析に外部の民間研究機関(Eurofins Lancaster LaboratoriesおよびEurofins TestAmerica Sacramento)を利用しています。これらの研究機関では、C3ダイマー酸をはじめとするテーブル3+のPFAS化合物を検査する方法と、EPAメソッド537を改良した方法の2つが採用されています。

ノースカロライナ州環境品質局

ノースカロライナ州環境品質局が提供する情報を閲覧するには、以下に記載されているリンクをクリックしてください。

国際連合に対するChemours(ケマーズ)の回答