アクリロニトリルに使用されるグリコール酸

アクリロニトリル精製工程におけるグリコール酸

このコスメティックグレードのグリコール酸は、ポリマーの生成を抑えると同時に、アクリロニトリルの精製工程における廃棄物管理と製品品質の向上に大きな利点をもたらします。

アクリロニトリルの工程では、グリコール酸が遊離アンモニアを除去してグリコール酸アンモニウムを生成します。酢酸を用いて生成される酢酸アンモニウムよりも熱安定性の高い化合物です。酢酸アンモニウムの分解が減少すると、システム内の伝熱面における遊離アンモニアが減少します。これにより、遊離アンモニアが触媒となって起こるシアン化水素(hydrogen cyanide:HCN)の重合を抑制できます。

グリコール酸の働き

本製品を使用すると、酢酸と比べて、以下の利点があります。

  • ほとんどの用途において使用量が3分の1で済み、浄化コストを削減できる
  • 水相への分配係数の高さに影響を及ぼし、HCNポリマーの生成を抑制できる
  • 完成製品の質が高くなる
  • 遊離アンモニアを除去してグリコール酸アンモニウム(酢酸との化合物よりも熱に強い化合物)を生成する

特徴および利点

グリコール酸は、カラムやリボイラーの寿命を向上させ、メンテナンス、修理、洗浄、廃棄費用を削減します。

グリコール酸には、ほかにも以下のような有益な特徴および利点があります。

  • 不燃性、低揮発性有機化合物(低VOC)特性
  • 低臭気性、低発煙性、低毒性、低腐食性
  • 塩化物ゼロ
  • 廃液濃度の低減
  • 既存の機器にほとんど変更を加える必要がないため、レトロフィットが容易